オランダ行き当たりばったり(その1)
6月12日午後アムステルダムのスキポール空港に到着。タクシーで運河群の半月リングより外にあるホテルにチェックイン。家族経営のこじんまりしたホテル。早速近所を探索。教会(あとで西教会と判明。)の塔に書いてある長いローマ数字を読もうとしたが分からなかった。Xが沢山書いてあった。そういえば町中でXXXの文字に出会う。これはあとでアムステルダムの市章らしいことがわかった。
13日はホテルのフロントでカナルクルーズの1時間半コースを予約し、トラムで1時間券を買って中央駅までのる。トラムの車内には車掌のいる窓口があって切符を売っている。因みにホテル前の停留所は12・13・14番のトラムが通り便利。駅の近くで尋ねながら運河にある船着場へ。Loversという会社の船に乗る。良く喋るキャプテンが蘭・英・独・仏など各国語で案内テープ放送の補足をしながら次々と橋をくぐっていく。日本語はできないと言っていたが、そのかわりというわけかオランダが長崎で占めていた特別な地位についてお客さん達に話していた。
シンゲル運河を通り花市の横を抜け、白い跳ね橋を通って広いところに出た。海洋博物館のそばを通りまた運河に入りアンネフランクの家で一旦停まった。ここで新しい乗船者が乗った。オランダ式のレンガ造りの5階建ての前ではFlying Dutchmanの話を聞かされた。こうした建物には最上階に腕木が出ていて荷物用のフックが下がっている。酔って遅く御帰館の亭主を奥さんがこのフックで吊り上げたのがFlying Dutchmanの話の始まりだとジョークを飛ばしていた。Flying Dutchmanの物語は「彷徨えるオランダ人と訳されている。ジョークだと思ったがひょっとすると本当か?広いところでは長い大きなハシケや貨物船が通っていた。
午後はアムステルダム国立美術館にトラムで移動。リニューアルオープン直後で大変な混雑振りだった。フェルメールの「牛乳を注ぐ女」「手紙を読む女」やレンブラントの「若き日の自画像」から「夜警」までひと通り見ることができた。「夜警」の前は人だかりで見えにくいほど。
14日は家内の昔の記憶を頼りに朝から列車でアルクマールに出かけた。アルクマールの駅のコインで動く自動トイレが故障していたが、通りかかった親切な紳士が携帯電話を掛けて解決してくれた。出会う人毎に道を尋ねながら行ったり来たりして、ようやくチーズ取引の「市」の広場に到着した。大勢の観光客が取り囲む大きな広場で伝統のチーズの競りが行なわれていた。積み上げられたチーズが競りに掛けられ、競り落とされると橇のような形の機具を使って2人の男がバランスを取りながら担いで走る。
広場の後ろにあるチーズ博物館に入った。オランダは穀物生産に適した土地が少なく牧草地での酪農が盛んで、チーズは昔から主要な輸出品だったそうだ。博物館の3階から見下ろすと広場のチーズが残り少なくなっていた。
15日は「Open Garden Days」という催しがあると聞いていたので雨の中を出かけた。しかし切符を売っている家に辿りつけず、foamという小さな美術館に迷い込んだ。いまどきのアートの展覧会をやっていたのでひと通り見学。館内のカフェで土砂降りの雨が上がるのを待った。外に出てみたが切符を売っている家には行列が出来ていて諦めた。
トラムでミュージアム広場に行きアムステルダム市立美術館にはいった。ピカソ・セザンヌ・シャガール・モンドリアンのほかにエゴンシーレがあった。ウイーンで観たエゴンシーレとは違う印象の縞模様の女性の絵だった。
広場の筋向いにあるコンセルトへボウのボックスオフィスで、日本からインターネットで買っておいた切符を受け取り一旦ホテルに帰った。夕食後に着替えてコンサートに出かけた。初めてはいるホールはまことに風変わりな造りだった。高い位置に舞台があり、平場には全く傾斜がなく周りの高いところにも客席がある。舞台後方にある客席は階段状で舞台との境はない。いわゆる袖というものがなく、舞台より高い位置に二箇所ほど捌け口がある。
チューニングが始まるとその風変わりな響きに驚いた。コントラバスがやたらと響く。高弦は倍音が少なく丸みを帯びている。プログラムはウエーバーの「魔弾の射手」序曲で始まり、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト、続いてチャイコフスキーの第4交響曲だ。オケはNederlands Philharmonisch Orkest、指揮はLouis LangreeでヴァイオリンはStefan Jackiw。演奏が終わる度に客席は総立ちになる。スタンディングオベイションというよりも、ひとり立つと見えなくなるので皆が立ち上がるといった感じ。ホテルに帰り着くと真夜中だった。
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