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「海底下」の世界!

Chikyuuseimeikougaku

累乗の表記を直しました。(11/24 11:40)

講座「海底資源研究の最前線」の第3回目です。今回のタイトルは『地球深部探査船「ちきゅう」の挑戦~海底下の天然ガス・エネルギー資源とCO2~』でした。

講師は地球生命工学研究グループのリーダー稲垣史生先生です。この記事のタイトルで「海底下」と言っているのは海底よりもさらに地球の中に入ったところの意味です。普段は考えたことも無い世界です。そこは光が無い暗黒の固体です。

1994年以降になって実はそこに膨大な微生物がいることが判明しました。表面から800mのところで1立方センチメートルあたり10万~100万匹いると言われているそうです。計算によるとその数は合計3.5x1030匹で全微生物バイオマスの60%(全生物炭素の1/10~1/3)を占めているそうです。火星の生命を調べるのと同じ感覚で、アミノ酸にUVレーザーを当てると蛍光を発することを使ってしらべるそうです。

大陸の沿岸に近いところでは光合成が盛んですが、外洋は砂漠状態で飢えた鮫がいるだけの世界で透明度が100~200mもあるようです。

沿岸部では海中では太陽光を受けて光合成による一次生産が盛んでその生命のサイクルは数十から数千年。一方地下では微生物がマグマ起源の熱エネルギーを使ってメタンを生成しているがそのサイクルは遅く数千年~数千万年だそうです。この地下のサイクルを速めることが出来れば持続可能な炭素の循環システムが出来るかも知れない。すなわち持続型循環システムです。(バイオCCS構想:上の資料を見て下さい。)

地下の生物は「古細菌」に属していて生物の系統樹上ではBakteriaとは異なる系統である。

地球深部探査船「ちきゅう」では、29カ国から研究者が参加して国際的なプロジェクトチームを組んで下北半島沖で掘削探査を行なっている。「ちきゅう」の能力と設備は世界で他に例のないものである。巨大な船にも拘らず、僅か1mの位置の微調整も可能。採取したサンプルコアを船上でCTに掛けて可視化できる。蛍光エックス線分析もその場でできる。

下北沖の地下では微生物が多く石炭層からの栄養供給があることを示している。未成熟の石炭層はメタン菌の巣だそうです。

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