10月2日~29日ウイーンで過ごした4週間
10月の2日に日本を離れてオーストリアで約4週間を過ごし30日に帰ってきました。ウイーンの西駅の近くでアパートを借り、美術館や博物館を手当たり次第に観て歩きました。ウイーンと言う町には繁栄を誇った大帝国の遺産ばかりでなく世紀の変り目に起こった建築芸術運動の遺産が多くあり、意外なところではフンデルトヴァッサーによるゴミ処理場の建築デザインには正に意表を突かれました。(写真)
コンサートの方ですが、シュターツ・オーパーでは小澤征爾の指揮でチャイコフスキーのエフゲニー・オネーギンを観ました。東京オペラの森との共同演出です。上野で観たときと殆んどそのままといってもいい舞台でした。遥々ウイーンまでやってきたのだからと思い、西駅の近くを走っている6番の市電で終点の中央墓地に行き日ごろお世話になっている楽聖の方々のお墓にお参りしてきました。
月の半ば近くになって娘が訪ねてきて1週間ほどいました。この間に16日から18日にかけて妻と娘に引かれながらザルツブルグとザルツカマングートを旅しました。ちょうど気候の急変に遭遇して山には上がれませんでしたが、ザルツブルグのお城のようなお屋敷に泊まったりザンクト・ヴォルフガングの有名な白馬亭で食事を摂ったりしました。
ウイーンに戻ってから天候が回復したこともあって思い残すことが無いようにと連日出て歩きました。メルクからドナウ下りの船に乗ったり、ハイリゲンシュタットから38Aのバスで終点のカーレンベルクまで行って帰りにグリンツイングのホイリゲに立ち寄ったりしました。
ウイーナー・シンフォニカーの本拠地のコンツエルトハウスではファビオ・ルイージ指揮によるブルックナーの8番を聴きました。フォルクス・オーパーでは何とリゴレットを観ました。詳しい話は別に書きますが吃驚する様な演出でした。ニューイヤーコンサートのテレビ中継でお馴染みの楽友協会大ホールを見たさに、ウイーナー・モーツアルト・オーケストラの観光客向け見世物風コンサートにも出掛けましたが、お客さんのお行儀の悪さには閉口しました。カールス教会に出掛けたら偶然にモーツアルトのレクイエムをやるというので近くのカフェで時間を潰してから聴きにいきました。ザルツブルグのオケと合唱団でしたがいい演奏で感激しました。王宮礼拝堂のミサではウイーン少年合唱団が参加していました。
10月26日のナショナル・デーは戦没者の追悼の日だとききました。この日の夕方、シュテファン寺院のミサを覗きにいったらハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」の旋律がオルガンで演奏されていました。この旋律はかつてのオーストリア・ハンガリー帝国の国歌であり、またドイツの国歌でもあるという微妙な位置づけにあるようです。
帰国まじかになってリヒテンシュタイン美術館に出掛けました。ルーベンスなどの公爵家のコレクションが見事でしたが、同時に美しく手入れされたお屋敷とこじんまりとした庭園が美しく気持ちのいい時間を過ごせました。
自分の絵のほうですが、今回は張り切って用意をして出掛けたのに、何というか町のスケールに圧倒されてさっぱり絵が描けず自信喪失状態です。ところで今度の旅では体調を大きく崩すことがなかったのはウイーンの水が良かったのではないかと思います。気候の変り目で、欲を言えばあと1・2週間早くすればよかったと思いました。
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